LAR DSR Eamesshellchair
イームズチェアの両翼と称えられる一方の代表作と言えば成形合板を使用した椅子ですが、もう一方はFRP(繊維ガラス強化プラスチック)を使ったシェルチェアです。
FRPは第二次大戦中に使われていた素材で、例えばレーザードームなどで使用されていました。 FRPは大戦後民間に使用可能となりましたが、イームズオフィスはこの素材の家具への適応性に注目し、さまざまなインスピレーションと共に名作チェアを創作していったのでした。 ラ・シェーズ48年イームズ・オフィスはMOMA(ニューヨーク近代美術館)「国際低コスト家具デザイン・コンペ」に応募するためにUCLA工学部と共同チームを結成した。コンペへの出品としてFRP(繊維ガラス強化プラスチック)を実験的に使った椅子でラ・シェーズを創作。 美しいフォルムで美術館永久コレクションにもなるラ・シェーズであったが、コンペはその名のとおり『低コスト』、つまり低価格で人々に家具を提供出来ることをコンペの主題に置いたが、ラ・シェーズは製造面でコストが多大にかかることが判明したため、量産からの低コスト化を実現出来ず試作品に留まった。 現在では89年よりドイツのヴィトラ社が製造を開始したため入手可能な製品となっている。 LAR (ラウンジアームチェアR)FRP(繊維ガラス強化プラスチック)を使ったシェルチェアは当初、自動車産業の金属プレス加工を応用することで量産化をねらったが、コスト、技術面から断念しなければならなかった。50年のMOMA(ニューヨーク近代美術館)「国際低コスト家具デザイン・コンペ」に出展するため、開発を急がなければならなかったイームズオフィスは、大戦中FRPでプラスチック製レーダードームを生産していたジーニス・プラスチック社に共同開発を提案。 開発は造船で用いられる油圧金型をはじめとする最新技術を応用することで見事成功。前回の問題であった量産化をも可能にし、誕生したのがLAR(ラウンジアームチェアR)であった。 この技術によりイームズオフィスは長年の夢であった、美しいカーブを描いた椅子を低コストで人々に提供出来するという目的を達成できたのでした。 脚部は衝撃を吸収するためにゴム製ショックマウントでシェルに取り付けられています。 MOMA(ニューヨーク近代美術館)の永久コレクションにも選出されている。
DSR (サイドチェア)LARと共に開発されたシェルチェアの名作と言えば、DSR(サイドチェア)です。世界中で愛されるデザインになったDSRは学校、空港などの公共施設やオフィス、レストランなど様々な生活シーンを彩り親しまれています。カラーバリエーションも多く、さらに55年に開発された『スタッキングタイプ』は積み上げられ収納を容易にし、横にも無限に広げられるように開発されるなど、まさにイームズイズムが表れた作品となった。 現在ではFRPではなく、環境にやさしいポリプロピレンで制作されている。 シェルチェアの脚シェルチェアの特徴と言えば脚部バリエーションの豊富さにあります。大まかに分けただけでも8種類、細部に注目すると16種類以上になります。 シェルチェアの人気の秘訣は、脚部とシェルの絶妙な融合とどこか愛されるユニークさにあると言っても過言ではないでしょう。
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