Eames Lounge Chair and Ottoman
不朽の名作56年は後の世に語り継がれるイームズチェア、不朽の名作が誕生する年となった。元のアイディアは40年MOMA(ニューヨーク近代美術館)『オーガニック家具デザインコンペ』に提出したプロトタイプであったが後に発展し、開発されたのが名作ラウンジチェアとオットマンである。 オーガニック家具デザインコンペ用の試作品は美しく、快適性も備えていたが、チャールズは完璧には程遠いと考えていた。 45年から46年にかけて、イームズオフィスは実験的な成形合板によるラウンジチェア開発に取り組んだが、生産には至らなかった。 この様な開発期間を経て10年後、56年に初のプロトタイプ版が完成し、イームズ夫妻の親しい友人である映画監督のビリー・ワイルダーに贈られた。
その後ハーマンミラー社ショールーム用に50脚生産されたが、初回生産版は機械生産された後、手作業で組み立てられた。 本格販売の前にハーマンミラー社は、テレビ番組「ホームシヨー」で紹介されるように手配するなどの熱の入れようで、チャールズは番組向けにラウンジチェアを紹介する二分間の映像を制作した。 ラウンジチェアは当時としては高額な404ドルで販売されたにもかかわらず、ただちにベストセラーとなった。 75年までに10万脚を販売することとなったが、生産工程に手作業が入るため高額となり、イームズイズムの一つである、手に入れやすい価格で人々に提供するという思想は達成できなかった。 素材はローズウッドで出来ており、ボタン付き革張りパッド覆い、中には発泡材、ダウン、アヒルの羽根が詰まっていたが、現在ではローズウッドからクルミ材に、詰め物はグクロンと発泡材に代わっている。オットマンも同様の構成で、接合部にはゴム製ショックマウントが使用されているのが特徴である。 |
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